特集 家具工房旅する木Vol.01 時を遺す

後編:廃校で時を遺す

廃校で実現させた、4つのコンセプト

独立当初、須田さんは「旅する木」に4つのコンセプトを思い描きます。
1つは、永く使ってもらえる手作り家具を提供すること。さらに、実際に物づくりの大変さを理解してもらう「木工教室」、木に触れることで豊かな心を育む「木育活動」、卵・乳製品・白砂糖を使わない「カフェ」、という4つのコンセプトを備えた、日本でただ一つの工房。
そしてこの計画を実現させる場所として選らんだのが、当別町の旧東裏小学校です。

当別町の旧東裏小学校

「札幌近郊で廃校を探したのですが、ここに来てもう一目ぼれでした」

体育館を工房として利用
体育館を工房として利用
(写真はクリックで拡大)

奥さまが運営するカフェ
奥さまが運営するカフェ

木育スペースの木のおもちゃ
木育スペースの木のおもちゃ

一直線に伸びる平屋建ての校舎。天然の芝が広がる校庭。
100年以上に渡って地域の小学生を送り出してきた可愛らしい小学校は、その役目を終えた平成20年に須田さんの手によって第二の役割を歩み出します。
校舎はカフェやショールームに、体育館は家具作りの工房に姿を変えて、廃校となった後も東裏小学校には灯りと人の活気が点されています。

「廃校に移って1つ大きな変化となったのがカフェです。ゆっくりとお茶を飲みながら、気軽に私が作った椅子やテーブルに触れてもらえるというのは、以前にはないことでした」

また廃校を利用する須田さんの活動は、地域にとっても大きな意味を持ちます。
集落にとって小学校は単に子供の教育の場ではなく、コミュニティーの核とも言える重要な場所であり、廃校に伴って集落の活気も失われてしまうと言われています。

「廃校に人が入って活動してくれている、夜体育館に灯りが点いているだけで地域の方は喜んでくれますね」

現在のところ、当別町内で廃校を上手に活用できているのは「旅する木」の工房となった旧東裏小学校のみ。「旅する木」は、地域にとっても欠かせない存在になっています。

時を遺す器として

家具の出来上がりを確認する須田さん
家具の出来上がりを確認する須田さん

技術者としての安定した生活を捨て、家具作りの道に進んだ須田さん。
それだけに家具作りの瞬間に喜びを感じるのかと尋ねると、「実は家具さえ作っていれば幸せか、というと全く違います」と躊躇ない返事が返ってきます。

「お客さまに家具を使って頂いて、そして喜んでもらえた時が幸せです。特に納品を終えて帰りの車を運転している時はもう、至福ですね。まあ、次の日に工房に行って現実の世界に戻るのですが・笑」

須田さん曰く、家具をご注文されるお客さまの多くは、今年はテーブル、来年は椅子と少しずつ増やして永く使われる方とのこと。「旅する木」の家具は、今も全国のお客さまの下で共に生活と時間を刻んでいます。

工房として利用することで旧東裏小学校が刻んできた時を遺し、作り出した家具がお客さまの時を遺す。

「今は、この廃校で家具を作ることに意味があると思っています」

時を遺す器として、須田さんは今日も木と対峙し、鉋をかけ続けます。

鉋をかける須田さん

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