特集 家具工房旅する木Vol.01 時を遺す

前編:カメラ作りから家具作りへ

旭川での長くつらい修行時代

旅する木の生産者、須田さん
旅する木の生産者、須田さん
(写真はクリックで拡大)

須田さんを支える奥さま
須田さんを支える奥さま

札幌から車でおよそ1時間。長閑な田園風景の広がる当別町で家具を作る、「家具工房旅する木」の生産者須田さんは長野県で生まれ育ち、以前はカメラの開発研究をしていました。

カメラ技術者としての生活は、経済的な安定は得られるものの、一方でカメラを使う人の立場や喜びを置き去りにした開発方針に疑問を感じるようになった、と須田さんは振り返ります。

「もっと人間のサイズにあった物づくりがしたいと思いました。そして何より北海道が大好きで、木が好きでした。次の選択肢として家具作り以外は考えなかったですね」

その決断の時、須田さんは28歳。高校を卒業して修行に入る人と比べれば10年も遅いスタートです。
「本当に苦しい時期でした…」との感想が漏れる長い修行がここから始まりました。

須田さんが修業先として選んだのは、家具作りで全国的にも有名な旭川市。須田さんは、まず2年間職業訓練校で基礎を学んだ後、小さな工房で5年の修行を積み重ねます。

「給与よりも『多くの技術を身に付けられるか』という視点で修業先を選んで、仕事が終わった後に自分の作品を作ったり、この頃は死に物狂いで技術を知識を吸収しました。その時はもう子供もいて3人家族ですので、経済的には本当に厳しかったのですが、妻がよく付いてきてくれたと思っています」

手作り家具に課した、2つの決まり

7年に渡る旭川での修行の後、2年間建築の修行を経て須田さんは札幌で独立。日本で唯一の家具工房を目指し「旅する木」をスタートさせました。

「旅する木」で作られるものをひと言で括れば「手作り家具」となりますが、須田さんはそこに2つの決まりを課します。

家具は手鉋で丁寧に仕上げます
家具は手鉋で丁寧に仕上げます

1つは伝統的な技術を用いること。
「例えばテーブルであれば、今はほとんど天板をサンダー(電動ヤスリ)で仕上げるのですが、私は必ず手鉋を使います。
サンダーで仕上げた天板はすぐに毛羽立ってしまうのですが、鉋で仕上げるといつまでもすべすべ感が持続する。伝統的な技術を用いると長く使ってからの結果が違うんです」

もう1つはお客さまの一生を共に出来る家具にすること。
「ヨーロッパのように3世代に渡って…というのは気候の違いもあって難しいとしても、少なくともそのお客さまが亡くなるまで同じ機能の家具を買わせない、というつもりで作っています」

須田さん作のテーブルや椅子
須田さん作のテーブルや椅子

時間の経過によって生じる木の反りを殺そうとするのではなく、木に負担をかけないように逃げ場所を作りつつ、家具を使う人に不便を生じさせないようにする。
その絶妙なバランスが、長く使える家具の秘訣と須田さんは語ります。

しかし実は、「旅する木」にとって家具作りはその一部に過ぎません。
須田さんが思い描いた「日本でただ一つの家具工房」を実現させるため、平成20年の秋、工房を移転させます。

「いやもう本当に大きな、決定的な変化になりました」

須田さんがこう振り返る工房の移転先とは、当別町にある小さな廃校でした。(後編に続く

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